嘘をついてはいけない。嘘を付くには悪いこと。どうして人は嘘をつくのか、どんなときに嘘をつくのか。
嘘をつくのは自分を守るため。自分が傷つかないように。誰かに叱られないように。何かを壊したり失敗したりしたことを嘘をついて隠すのは、失敗したときにひどく叱られた経験があるからかもしれない。本当は自信がないから、自分の優位を示すために誇張したり、できないことをできると言ったりして自分のプライドを保たなければいけないのかもしれない。自分を守るための嘘。子供であれば、嘘をついた事をただせめて叱るのではなく、嘘をつかざるをえなかった事情を考る必要があるのではないかと思う。もしかしたらこれまでの大人の対応が子供に嘘をつかせてしまっているのかもしれない。
他の人のために嘘をつくこともある。相手を傷つけないため。不安にさせないため。喜ばせるため。美味しくない料理を食べて、美味しいと言う。好みでないプレゼントを貰って、以前からほしいと思っていた嬉しいと言う。ひどい怪我をしている人に、大丈夫ですよと声をかけて励ます。
嘘をつくことは悪いことだろうけど、嘘をつかざるをえないときもあるし、嘘をついた方がいいときもある。子供に嘘をついてはいけないと教えるけど、本当はついていい嘘といけない嘘があることを教えることが大切なのではないかと思う。自分の非をごまかすような嘘は悪い嘘だからいけないが、相手を思いやるような嘘はついてもいい嘘。「あの子、私の悪口を言ってなかった?」と聞かれて「うん、言ってたよ。」「なんて言ってたの?」「あのね、・・・」なんて答えるのは、良くなくて、「知らない。」と答えたほうが誰にとってもいい。知っているのに知らないということは嘘だけど。ひとくくりに嘘はいけないって言うけど、そうではないはずで、大人になるに従って学んでいくのだと思う。
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