料理の呪縛

 仕事から帰る車の中で、今晩のおかずは何にしようかと考えました。昨日も一昨日も、帰りが遅くなり、時間をかけずに準備したので、今日は、少し早く帰るからいくらか時間をかけなくちゃいけないかな、と思いました。でも、ふと、「あれ?なんでこんなに頑張ってご飯を作らなきゃいけないと考えてしまうのだろう。」と思いました。朝早く家を出て、帰りも早いとは言えない。自分のために使う時間は一日に一体どれくらいあるんだろう。このままどれくらいこの生活を続けるんだろう。思考がずれてしまったけど、食に話を戻すと、そもそも母がきちんとご飯を作る人だったから、自分も当然、同じように作らなければいけないと、勝手に思い込んでいたんだと気づきました。母は、きちんと食事を作る人で、うちの家族はほとんど外食をしませんでした。料理をすることも嫌いじゃなかったと思います。料理教室へ通ったり、テレビの料理番組を見たりして、新しいメニューが加わることも少なくありませんでした。未だに、盆正月に実家へ顔を出せば、机にのり切らないほどの料理を作ってもてなしてくれます。でもちょっと待って、母は私のようにフルタイムで働いてはいなかった。パートタイムで働いていて、自わたしが家に帰る頃にはいつも家にいてくれました。私とは全然状況が違います。「同じように料理できるわけがない。」という当たり前のことに、今更気づいて愕然としました。いつも美味しいものを食べさせてくれた母に感謝しつつも、いや感謝していたからこそ、同じようにしなければいけないと勝手に自分を縛っていたんだなと思いました。それでも、今まで自分がしてきたことを後悔しているわけでもありません。大変だったけれど、子どもたちにはできるだけ栄養のバランスを考えて、楽しく食べられるようにしてきたつもりで、それはそれで良かったのかなと思います。ただ、もう疲れてしまって、ちょっと力を抜いて、自分を縛らず、抜けるところは抜いて気楽にしていけたらいいなと思います。

 今晩は、かき揚げうどん、とろろ、みかん。いつもなら、だし汁に醤油や味醂を入れてスープを作るところを、めんつゆを使い、簡単にしました。いつもは、お湯を沸かして茹でるうどんをレンジでチンできることに気づき、チンしました。生協で買っておいた冷凍のかき揚げもチンして、刻んで冷凍してある薬味ネギを載せてうどんの出来上がり。とろろは皮を向いて摺りました。気負わずこんな日があってもいいよなと思いました。

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